レザークラフト 簡単なレザーキーケースを作る

レザークラフト キーケース

今回のレザークラフトは簡単なキーケースを製作します。
自身、まだ凝ったものは作れませんが、一縫いで出来る物なら難しくないです。
製作を思い立った理由は、下の画像にあります黒色のレザーキーケースにキーを2本収納していました。2本収納できるのがこれしかなかったので使っていた訳ですが、2本だとボタンが止まりません。しかも1本は長くてケースからはみ出てしまっています。

レザークラフト キーケース

材料(手持ち)レザー(革)は、
今回は手持ちでちょうどよい大きさがありました。レザークラフト キーケース国産ですが産地不明にします。種類もわからず、表面はちょっとザラっとしています。
個人的にはゴワゴワしたレザーより、柔らかいレザーが好きです。
今回は製作するケースは、巻くだけなので手持ちの中から選んだ革の厚みは1.5mmです。
柔らかいのでちょっと頼りないような感じですが、毎日使うものでないので良いとします。

 

工具レザークラフト キーケース

 

作業①革を必要なサイズに切断します。
普通の四角では面白くないので、ちょっと変わった形にしようと思います。
レザークラフト キーケース②革包丁でなく、当方は使いやすいカッターで切断します。
カッター切断で切りにくくなる使い方は、刃を立て過ぎ、刃の出し長さが短い。といったことがあります。
初めの切り出しは、刃の折れ目の2つ目(奥)位置を革に当てて切り出すのがコツ。
凸部はフックボタンを取り付けます。レザークラフト キーケース③角の曲線もカッターで少しずつ切断しました。
一旦切り終えたものの、もう少し自分が気に入る形に切りました。レザークラフト キーケース

切断面の厚み角を丸くしたい場合は、ヘリ落としという道具を使います。レザークラフト スマホケース(今回は厚みが薄いので行いませんが。)

 

次は菱目打をします。菱目打ちとは縫い合わせる糸を通す穴をあけることです。
この菱目打ち穴の形も色々あるようで穴の空き方で縫い目も変わってきます。

使うのは縫い目が斜めになる菱目打です。
①ゴム板を用意します。菱目打ちの目の部分を完全に革を貫通させるためにゴム板の上で行います。レザークラフト キーケース
②開始点を計って軽く押し当てて、目あまりしないよう先に確認しました。
③まず、4本刃の目打ちで打っていきます。
木ハンマーを持ってないので以前から木槌として使っているこの肩たたきを代用・・・。
底辺の真ん中を計ってここから打っていきます。
一度で4つ穴が開きますが、次に打つ時に4つ目の穴に目打ちの1刃目を入れて間隔が均等になるように打ちました。ですので、打って開いていく穴数は3穴ずつという事です。
④曲がり角は刃が2本の目打ちに変えます。
角でも間隔が均等になるよう先に打った穴に1刃目を入れて、1穴ずつ開けていきます。

 

まず縫い糸ですが選択するには色々な色と太さがあります。
強度を増すためにロウが塗ってある糸があり、これをロウ引き糸とも呼ぶようです。
このロウの付着量が多いなら、縫う前に布で軽く拭き取っておいた方がベタベタせずに作業しやすいです。レザークラフト スマホケース
「エスコード」という製品名は麻糸で毛羽立ちやすいですが風合いがあります。これもロウ付きがあります。
最後の縫い止めを熱で溶かして処理できる化学繊維のポリエステル・ナイロン糸は毛羽立たちがありません。
化学繊維系はライターで炙ると溶けます。名前では、ワックスコードやビニモなどがあります。

色はやや濃い茶色で落ち着いた感じにしました。
糸の太さは小物なので細い糸が良いかとも思いましたが、アクセントとして太い糸にしました。

 

基本の「平縫い」
①今回使う糸もロウ付きなので先に軽く拭き取りました。
このケースの縫う長さは片面で約40cm強、2本通すので80cmになりますが、末端の折り返しと、針に掛ける分が必要なので縫い途中に足りない事にならないよう多めにします。今回には切った長さは100cm程です。

②板を2枚でレザーを挟んで手前に向かって縫っていきます。(自分のやり方・・・)
テーブルに固定できるホビーバイスが便利です。ホビーバイス

③平縫い方を簡単に言うと、1本の糸の両端それぞれに針2本を通します。レザークラフト キーケース

④縫い始めの位置は、折り返し縫いするためにレザー端から数えて内側3つ目から縫いはじめますので、この穴に糸を通し左右の糸が同じ長さになる位置にします。
切断した糸先はあぶるとほつれがなく通しやすいです。レザークラフト キーケース

⑤縫い始めます。
端まで縫ってまた手前に返って縫って行きます。
通し方です。
左右の糸が同じ長のこの状態で、片方の糸を次の穴に通します。
通してから縫っていこうとする進行方向とは逆向き(手前に)ひし形の角方向へ寄せて穴の上角に隙間を作ります。
この上角に開いた隙間にもう1本の糸を通します。
次に右側の下に引いていた糸を次の穴の通し左側に出します。
次にこの糸を穴の上角に引いて下角に穴に左にある糸を通します。
これで2穴の通し方です。右から通す時は上角に通し、左から通すのは下角・・・という感じ。
このように通すと糸が斜めに通る目になります。レザークラフト キーケース

⑥これをていねいに繰り返して行きます。
左右の糸を同じ力加減で引いて行くときれいに並んだ縫い目になります。
このとき柔らかいレザーは糸がレザーに沈みやすくて糸目の差が出やすいので引き加減に注意しましょう。
特に今回のように柔らかいレザーは、糸の引き加減が難しく引き過ぎると凸凹と波打ちになります。ここは修行不足・・・。レザークラフト キーケースまた、糸が菱目に沿ってくれずきれいに目が揃いにくいです。これも腕が未熟・・・レザークラフト キーケース

⑦外周を1周縫い開始点にたどり着いたら3穴折り返し縫いをします。
返し縫いは先ほどと同じように通していきます。先に通して来た糸目と揃えて縫います。そうすると見た目がきれいになります。レザークラフト キーケース

⑧レザー裏面で糸を留めます。結び目が目立たないようにするには、結び目が革の厚みの中にできるように糸を引き締めるのですが、今回は革の厚みが薄いので結び目を革の穴に埋めることはできません。
そこで、結び目はポリエステルやナイロンなどの化学繊維の糸を使ったのでライターの火で溶着が出来ます。(麻糸など自然素材は溶けません・・・。)糸が熱いうちに糸の先を押しつぶすと糸玉ができ抜け止めになります。
この方法の注意点に、ロウ付けの糸はロウが溶けてレザーがシミになる場合があります。
点止めにするため細いマイナスドライバーを熱して押し当てて溶着し留めました。

⑨背中にも見た目のステッチを入れました。レザークラフト キーケース

⑩縫い目全体を木づちなどで軽く叩いて慣らします。
使用時の糸の摩耗のためにも効果があります。
今回は縫った時に部分的に波打ってしまったごまかしに・・・。レザークラフト キーケース

こんな感じに・・・レザークラフト キーケース

⑪キー留め具の穴をあけます。レザークラフト キーケース

 

今回は必要ないように思いましたが、切断段差と縫う作業で淵が毛羽立ってしまった部分があるので、ごくわずかだけサンドステックを使って均しました。これは次工程の準備にもなります。
角に切断の段があれば削ってきれいな角に仕上げます。
サンドステックは今回、中目を使っていますが100均で売られている目の細かい、ツメヤスリや、かかとヤスリでも仕上げには代用できます。レザークラフト キーケース

 

いよいよ最後の仕上げです。
この項目名について、当方より詳しい方が説明されているサイトがあります。ここでは素人の感覚で専門的な話ではありませんのでご了承ください。

トコノールとトコフィニッシュという商品があります。
トコフィニッシュは、
水っぽいので伸びが非常に良いが浸みこみも早い。
レザーの表面に付いてしまってもシミになりにくい。

今回使うトコノールは、
仕上げ用という事でワックス成分も入っていて、白いクリーム状でトコフィニッシュよりもう少し粘度が高いです。
浸みこみがトコフィニッシュより遅いので慌てないで作業できそうです。レザークラフト スマホケース

どちらも仕上げの大きな差がわかりにくいようです。
はみ出たらすぐに拭き取るのがよいでしょう。
トコノールには、トコノールカラーという黒や茶色の色付きもありますが、気を使いながら塗らないと塗る以外の部位に色が付いてしまいますので、細いものでていねいに塗る必要があります。今回の白色は磨くと無色なのでレザー本来の色を生かせます。

 

レザーを裁断した状態の断面(コバ)は、先ほどのようにサンドステックで磨いても毛羽立っています。
毛羽立ちを押さえる作業をします。
道具としてコーンスリッカー (木製のヘリ磨き棒)を使います。
毛羽立ちが少ない状態であればそのまま次工程の「トコノール」を塗布し磨いてしまうこともしていますが、
今回は・・・
厚みが薄いので棒を当てて断面(コバ)磨きが出来ず、逆にキーケースを手に持って棒にこすり付けて磨くことになりました。

①コパ面にトコノールを塗布します。レザークラフト キーケース木製のコーンスリッカー (ヘリ磨き棒)で磨きます。溝に色々なサイズがあるのでレザー厚みに合うサイズ部分で磨きます。
今回はレザーの厚みが薄かったので、コーンスリッカーの力が入らずにしっかりと磨けず、逆にきーケースを手に持ってコーンスリッカーに当てて磨くことになってしまいましたが、力が入らず仕上がりはもうひとつです。レザークラフト キーケースそれでもなんとか続けて・・・。

レザークラフト キーケース②レザー裏面(トコ)も手と、キーが触れる使用面になります。あまり質の良いレザーでない様で、ぼろぼろと毛羽が抜け出て来ます。
そこで、トコ面 (裏面)もトコノールを塗布しコーンスリッカーの頭の丸い部分で磨きました。レザークラフト キーケース磨いたらアンティーク調になりこちらを表にしても良いような感じになりました。レザークラフト キーケース

 

 

 


ケースを折りたたんで留めるボタンを取り付けます。
レザークラフト キーケース①上型という物を取り付けます。レザークラフト キーケース刺して針山を出します。出し方が少ないと止まりませんので頑張って多く出すようにします。レザークラフト キーケース②治具で叩いてカシメます。レザークラフト キーケース
③下型の相手になる下型というのを取り付けます。先ほどの上型と同じ取付け方をします。レザークラフト キーケースレザークラフト キーケースレザークラフト キーケース

最後にキー固定具を使っていたケースから部品取りします。レザークラフト キーケース
キーケースの完成です。
表側レザークラフト キーケース裏側
レザークラフト キーケース収納の様子レザークラフト キーケースレザークラフト キーケース
そして、思い付きでナスカン金具を付けて見ました。レザークラフト キーケースレザークラフト キーケースレザークラフト キーケース出来たキーケースは小さいので行方不明にならず、カバンの中でも整理がつきます。レザークラフト キーケース

 

感想全工程3時間ほどで出来上がりました。
今回使ったレザーがちょっと柔らかかったのと、私の腕が未熟で縫い目がきれいに揃わずでしたが、まぁまぁの出来栄えです。
コパ磨きも、レザーの厚みが薄く柔らかいので磨きは力が入れずらかったです・・・。
といったことからこんな出来栄えですが、しっかり収納できるようになったし、自分しか使わないので粗は気になりませんね。

 

材料(手持ち)・レザー(国産) 10cm×15cm 厚み1.5mm 1枚
・手縫い糸(ワックスコード)
トコノール (SEIWA)
・スナップボタン(金具鋲) 1個
・ナスカン金具 1個

 

工具・定規
・カッター
・カッティングシート
菱目打ち(4刃、2刃)
・木ハンマー(肩たたき代用)
・ゴムマット(目打ち敷物)
ホビーバイス(手縫い時レザー固定)
・板2枚(手縫い時革固定)
・手縫い針 2本
・ライター(糸止)
サンドステック中目 (ヤスリ)(ツメ、かかと手入れ用も代用可)
・コーンスリッカー (ヘリ磨き棒)

 

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