SONY ハイレゾウォークマン NW-F880シリーズのバッテリー交換

2024年3月18日

はじめてのハイレゾ機器として購入したウォークマンNW-F880シリーズの NW-F886。
NW-F886は内蔵メモリ容量が32GBで、他に16GBの「NW-F885」と、64GB「NW-F887」の3モデルの構成で2013年に発売、当方は翌年購入して早９年・・・。長く使えました。
しかし、半年前からフル充電しても再生中に急激に残量％表示が60％などに減るようになってきました。

その後も挙動がおかしいまま使っていましたが、そのうち再生中にいきなりバッテリー残量が０になり電源が落ちるようになりました。
そしてついに充電動作になるものの、充電をしなくなってしまいました。

👉リチウムイオン電池の寿命が近づいてくると、
・満充電しなくなった
・充電はしているのに充電速度が異常に遅い
・長時間充電しているのにいつまでも充電されない
・勝手に再起動を繰り返すようになった
　などはバッテリー寿命が来たと思われます。

これまでの経過からバッテリーの寿命だと考えましたが、この現象には充電回路の故障もあり得ますが、バッテリーを交換して見ないとわからない所です。
純正バッテリーは流通していないのでAmazonで互換品を購入しました。

互換バッテリー仕様
3.7V 960mA
外形サイズ：縦約5.8cm×幅約3.5cm
厚み：約4mm
電源リード線長さ：約5cm (赤、白、黒色の3本)

①本体上部にある蓋を外します。薄いプラ板を使いました。金属製の物は傷つけてしまうので避けた方が良いでしょう。
剥がれた様子・・・

②はがれたら上部に見えるネジ２本を外します。
　電源ボタンのついた上部側面カバーが外れます。
③外れたら側面に見えるネジ２本を外します。
④下部の端子両側にあるネジ２本を外します。
⑤側面のボタンに少し引っ掛かりますが、すんなりと裏面カバーは外せます。
これで外装の分解は終わりです。

バッテリーの３本のリード線は、はんだ付けされています。
①はんだの作業がしやすいよう、黒色の樹脂製カバーのネジ２本を外しますが、このカバーには茶色いフィルムケーブルがつながっていますので勢いよく外さないように注意します。
②この樹脂製カバーについている茶色のフィルムケーブルを外さなくてもこの樹脂カバーを少しずらせば作業が出来るので、はんだ部が見える位置までずらしテープで仮止めしておきます。
③もうひとつ邪魔になる黒色のテープらしきものを一部めくります。
これで、バッテリーのリード線のはんだ部が見えるようになります。
④はんだ付けされているリード線を外します。
その前に３本あるリード線の線色位置を、写真を撮るなどして記録しておきます。
本体上部を上にして見ると、本体淵の左から黒、白、赤色の順でした。
リード線ははんだを温めるだけですぐに外れます。
⑤バッテリーは両面テープで貼り付けてあるだけですが、剥がすにはやや力を要しました。
⑥何の意味があるのかわかりませんが、純正バッテリーに貼ってあった黒色のテープがきれいに剥がれたので、新しいバッテリーに貼り直しました。左が購入したバッテリー、右が元のバッテリー
元の純正バッテリーのラベルを見ると3.7V 960mAとあります。
交換するバッテリー自体には書いてないですが購入説明には1000mAとの事。
その他の仕様としてリチウム充電池で３本線があってサイズとこの電圧さえ合えば使えるバッテリーは他にも存在しそうです。

⑦はんだ付け後、隙間にリード線を収めるにはリード線が1cm程長いので切って短くしました。
⑧新たなバッテリーのサイズが少し小さいので、放熱も含めて周囲が均等に空く位置に貼りました。
➈新しいバッテリーのリード線を、元と同じ線色の位置にハンダ付けします。
⑩組み立てる前に充電ができるか確認します。
・電源ボタンを長押しします。
起動しました。
充電をします。
バッテリーマークにイナズマのイラストが表示されたので、充電機能には問題ないようです。
⑪元通りに組み立てます。

このバッテリーは交換直後70％程残がありましたが、その後使い切ってはじめてのフル充電をしました。
特に暖かくなるような発熱は起きませんでした。約2時間40分で100％になり前面のWマークが消灯し自動で充電が止まりました。
その後は、電源を入れたままで12時間放置すると残量は96%、さらに12時間後で90％となり以前と変わらない様子でした。
NW-F880シリーズの充電時間の仕様には３時間とあるのでそんな所でしょう・・・。

👉充電方法に関して、よく０％になってから充電すると良いとの話がありますが、これは以前主流だったニッケルカドミウム電池の話で、容量を使い切らずに残っている状態で充放電をすると、残っていた容量の付近を残容量の限界だと記憶するような性質からの話です。その点、リチウムイオン電池には記憶する概念がないため、0％まで使い切ってから充電する必要がなく意味がありません。こういったところからリチウム充電池で良く出る話で「継ぎ足し充電」をしても問題ないということです。

再生時間は連続で試す機会がないのですが仕様では、MP3再生時の充電池持続時間　約35時間　とあります。
再生して放置も充電したのがもったいないので試せていません。
当方、聴くのはFlac形式で１回２時間程度聴くので、十数回程度聴けたら良いかと思っています。

今回は互換バッテリーが入手出来ましたが、またいつか寿命が来ると思います。
その頃には互換品でも無くなっている可能性もあります。
では、出来るだけ長えるようにするにはどうすればよいのでしょうか・・・。

👉リチウムイオン電池の寿命を長持ちさせるためには、
・充電しながら使わない（充電中放電させない・熱くしない）
・充電回数を減らす
・０％のまま長期間放置しない
・高温多湿環境を避ける
　が主に上げられます。

充電できる機器はどれもそうですが、バッテリーの寿命＝機器の寿命とはもったいないものです。
だからと言って、私達ユーザーで交換できるような構造となっていたとしても、メーカーがバッテリーを長く販売してくれなければ意味のないことです。
そんな中、欧州議会は２３年に端末を含むバッテリーをユーザーが簡単に交換可能出来る様にするための法案（バッテリー搭載製品の生産、設計、および廃棄物管理等に関する新規則）承認されました。
バッテリーさえ交換すればまだまだ使える機器が延命できるというのは個人的に歓迎ですが心配なこともあります。物の売れが鈍化しメーカーの収益が減ると開発費が抑えられ開発ペースが落ち、デバイスの進化が遅くなる可能性も出そうです。

長々と話しましたが、バッテリーがあることで便利な反面、使って行ったその先に待っているこのような問題は難しいですね。
そういえば「充電」と言う概念がない時代のラジオやラジカセ、玩具など何もかも乾電池でユーザーが簡単に交換できるもので、これだと充電時間もなくバッテリー寿命問題も起きないですね。

・互換バッテリー　3.7V 960mA 　2.200円　　Amazon　